エアコンがないと、厳しい夏の暑さや寒い冬は乗り切れません。しかし、エアコンも永遠に使えるわけではなく、寿命は約10年です。この記事では、エアコンの寿命のサインやメンテナンス方法、買い替えのポイントを解説します。
記事を読めば、エアコンを長く効果的に使えて、快適な室内環境を保てます。エアコンとの賢い付き合い方を身に付け、快適で安心な暮らしを実現してください。
エアコンの寿命は10年程度
エアコンの平均寿命は約10年です。メンテナンスを定期的に行えば、10年以上使える場合もありますが、寿命は使用頻度や設置環境に左右されます。悪条件での使用はエアコンの寿命を縮めるため、注意が必要です。最新モデルは新機能や省エネ性能が備わっています。
長期間使用したエアコンは、電気代がかさむことが多いため、買い替えが推奨されます。最新モデルに買い替えることで、ランニングコストの削減や快適性の向上が期待できるためです。
使用環境に左右される
エアコンの寿命や性能は、使用環境に左右されることが多いです。定期的なメンテナンスや使用頻度、適切な温度設定もエアコンの寿命に影響します。喫煙や揚げ物などで空気が汚れる環境は、エアコンに負担をかけやすくなります。
海辺など塩害の可能性がある環境では、腐食が進みやすく、エアコンの劣化が早まるため注意が必要です。塵埃が多く湿度が高い地域では、故障のリスクが高くなります。エアコン本体の設置場所や、室内機・室外機が適切な位置に設置されているかにも留意が必要です。
直射日光や通気性の悪さは、効率的な運転を妨げ、負荷がかかります。設置場所や周囲の環境にも留意し、効率的な運転の維持が大切です。定期的なメンテナンスを使用環境に応じて行うことで、エアコンの寿命を延ばし、快適な空間を保てます。
エアコンの寿命を知らせるサイン
エアコンの寿命を知らせるサインは以下のとおりです。
- 冷暖房の効きが悪くなる
- 異音がする
- 異臭がする
- 水漏れが起こる
- リモコン操作ができなくなる
- ブレーカーが落ちる
- 電気代が急に高くなる
冷暖房の効きが悪くなる
冷暖房の効きが悪くなるのは、寿命のサインです。エアコンをつけても部屋が適切な温度に達しにくくなります。設定温度に達するまで時間がかかり、効果が感じにくいのは、エアコンが正常に機能していない証拠です。運転中に温度が不安定になったり、風量が弱くなったりすることが増えます。
異音がする
エアコンから異音がする場合、内部に機械的な問題がある可能性が高いです。ベルトの緩みや摩耗、ファンの歪みが原因で異音が生じることがあります。異音が発生するタイミングで原因が異なるため、注意が必要です。起動時や運転中、停止時などの各段階で異なる要因が考えられます。
キーキーやガラガラといった異音の種類から、故障箇所を特定できる場合もあります。異音の種類ごとに考えられる故障箇所や原因を以下にまとめました。
異音 | 考えられる故障箇所 |
キーキー、カチャカチャ | ファンモーターの軸受不良 ファンブレードの破損 室外機のファンベルトの劣化 |
ガラガラ、ゴロゴロ | コンプレッサーの故障 冷媒配管の破損 ファンの異常 |
ガタガタ | モーターファンの不調 内部部品のゆるみや破損 |
ゴトゴト | 室内機の排水ドレンの詰まり |
キュルキュル | ファンの異常 |
音による故障箇所の推測は、自己診断の参照としてお考えください。異音はエアコンの寿命のサインであり、放置すると故障につながる恐れがあるため、早めの対応が重要です。
異臭がする
エアコンから異臭がする場合、多くはカビやバクテリアの繁殖が原因です。フィルターが汚れていると、微生物が増殖し、不快な臭いが発生することがあります。冷媒ガスの漏れや排水管の詰まりも異臭の一因です。エアコン内部に溜まったホコリや汚れが異臭を引き起こすこともあります。
内部の清掃やメンテナンスを怠ると、問題が悪化し、臭いが一層強くなる可能性があります。異臭が続く場合は、健康被害を防ぐためにも、早急に専門業者による点検やクリーニングの依頼が必要です。定期的なメンテナンスを行うことで、異臭の発生を未然に防げます。
水漏れが起こる
エアコンから水が漏れてくる場合は、メンテナンスが必要なサインです。水漏れは主に排水管の詰まりや破損が原因で起こります。室内機の凝縮水が適切に排水されずに漏れることが多いです。床や壁が濡れたり、カビの発生を招いたりすることがあります。
カビは室内の空気質を悪化させ、健康にも悪影響を与える可能性があるため、注意が必要です。水漏れはエアコンの内部の故障やメンテナンス不足の兆候でもあります。放置すると、さらにダメージを受ける可能性があります。早めに専門業者に依頼して点検や修理を行うことが重要です。
» エアコンの水漏れの原因や対処法について徹底解説!
リモコン操作ができなくなる
リモコンの操作ができなくなる原因はさまざまです。多くの場合、リモコンの電池切れが原因なので、新しい電池に交換するだけで解決します。しかし、リモコン自体に問題がある場合、赤外線発信部の故障やボタンの接触不良が原因のため、修理や交換が必要です。
エアコン本体のリモコン受信部に問題があると、リモコンの信号を受け取れず、操作が効かないことがあります。速やかに問題を特定するには、専門の技術者による診断が必要です。電子基板の故障による信号の不具合もプロによる点検が求められます。
ブレーカーが落ちる
ブレーカーが頻繁に落ちる場合は、エアコンの交換時期のサインの一つです。エアコンの使用中に突然電源が切れる場合、ブレーカーが落ちている可能性があります。電気システムに過負荷がかかり、安全装置が作動するためです。過負荷の原因は、冷却能力の低下によって運転負荷が増加している可能性があります。
メンテナンス不足で内部が汚れていることも一因です。古いエアコンは効率が悪く、ブレーカーの容量を超えやすくなります。
電気代が急に高くなる
エアコンの電気代が急に高くなる場合、いくつかの原因が考えられます。古いモデルは新しい省エネ型に比べて電力消費が大きいです。エアコンの効率が低下し、消費電力が増加している可能性があります。故障によって冷媒の循環が悪くなると、運転負荷が増し、過剰なエネルギーを消費します。
電気配線の問題や内部コンポーネントの故障も、隠れた電力消費を引き起こす一因です。定期的なメンテナンスを怠ると効率が低下し、フィルターや熱交換器の汚れがエアコンに負担をかけて電気代が上がります。
エアコンの寿命を延ばすメンテナンス方法
エアコンの寿命を延ばすために、以下の部分のメンテナンス方法をご紹介します。
- フィルター
- 室内機
- 室外機
フィルター
エアコンの寿命を延ばすには、フィルターのメンテナンスが重要です。定期的にフィルターを掃除することで、空気の流れを良くし、エアコンの寿命を延ばせます。フィルターは2週間に1回掃除すると、目詰まりを防げます。汚れたフィルターは冷暖房効率を低下させ、消費電力を増加させる原因です。
洗えるタイプのフィルターは水洗いしてから完全に乾燥させて、再装着します。フィルターの交換は、エアコンメーカーが指定する周期に従うことが重要です。機能性フィルターを使用している場合は、交換時期を厳守してください。
室内機
エアコンの寿命を延ばすには、室内機のメンテナンスが欠かせません。フィルターは定期的に掃除し、必要に応じて交換してください。風向きのフラップや吹き出し口も清潔に保つことが大切です。室内機の外側は柔らかい布でこまめに拭き、冷媒管などの接続部分も点検します。
室内機内部の汚れが気になる場合は、専門業者に定期的なチェックを受けることがおすすめです。運転音が異常に大きくなった場合は故障の兆候かもしれないので、早めに点検を依頼することが重要です。高温多湿な環境はカビが生えやすいため、定期的なカビ対策の必要があります。
室外機
エアコンの寿命を延ばすためには、室外機の適切なメンテナンスが重要です。室外機は直射日光や雨風から保護するために、通気性の良いカバーやシェードの利用が推奨されます。周囲には十分な空間を確保し、良好な換気を妨げないようにします。定期的にホコリや汚れを掃除し、清潔を保つことも重要です。
フィンに詰まった汚れは冷却効率を低下させるため、ブラシやホースで丁寧に清掃してください。長期間使用しない場合は、室外機にカバーをかけて劣化を防ぎます。異音や振動が発生した場合は、早めに点検し、必要なら修理を依頼してください。異常を放置すると修理費用がかさむ可能性があります。
コンデンサーやファンの劣化も確認し、必要に応じて専門業者にメンテナンスを依頼しましょう。配線や接続部分も定期的にチェックし、腐食や緩みがないかの確認が必要です。電気系統のトラブルは火災の原因となる可能性があります。適切なメンテナンスは、エアコンのパフォーマンスを最大限に引き出し、寿命を延ばせます。
» ドレンホースが汚れる原因と、手軽にできる掃除方法を紹介
エアコンを買い替えるときのポイント
エアコンを買い替えるときのポイントは、以下のとおりです。
- 定格出力
- 適用畳数
- 節電性能
実際の使用感や満足度は、ユーザーのレビューで確認できます。操作性やデザインは好みがあるため、自分に合ったエアコンを選ぶことで、後悔のない選択ができます。
定格出力
エアコンを買い替える際の重要なポイントの一つが定格出力です。エアコンの性能を示す基準で、部屋の広さに適した出力を選ぶことが効率的な運転に直結します。定格出力が低すぎると、エアコンは効率が悪くなり、十分な冷暖房効果が得られません。
一方、定格出力が高すぎるエアコンを選ぶと、無駄な初期投資や電力消費につながる可能性があります。定格出力はエネルギー消費効率(COP)や省エネ性能と密接に関連しています。適切な出力のエアコンを選ぶ際は、快適さに加え、経済性や環境への配慮も総合的に考慮することが重要です。
適用畳数
エアコンを買い替える際には、部屋の広さに合った適用畳数を選ぶことが大切です。小さな部屋には適用畳数が少ないエアコン、広い部屋には適用畳数が多い大型のエアコンが適しています。購入時には、エアコンのパッケージや説明書に記載されている適用畳数を必ず確認してください。
エアコンの適用畳数の目安を以下にまとめました。
冷暖房能力 (kW) | 適用畳数の目安 |
2.5 kW | 6〜8 畳 |
3.2 kW | 8〜10 畳 |
4.0 kW | 10〜12 畳 |
5.0 kW | 12〜16 畳 |
6.0 kW | 16〜20 畳 |
7.0 kW | 20〜25 畳 |
部屋の構造や断熱性能、窓の大きさや向き、日射の強さ、人数などによっても必要な冷暖房能力は変わります。適用畳数以上の広い部屋に小さなエアコンを設置すると、エアコンの効率が悪くなり、十分な冷暖房効果が得られません。
一方、適用畳数を下回る小さな部屋に強力なエアコンを設置すると、必要以上に電気代がかかります。効率的な冷暖房とコストの節約には、畳数の適切なエアコンを選んでください。
節電性能
エアコンを買い替えるときに節電性能は重要なポイントです。節電性能を評価する際は、エネルギー消費効率(EER/COP)の数値を確認し、効率の良さを見極めることが重要です。インバーター機能の有無は消費電力に大きく影響するため、必ず確認してください。
年間消費電力量(kWh/年)を確認し、どれだけの電力を消費するかを把握します。エコナビなどの省エネ機能が搭載されているか、省エネ基準達成率が100%以上かどうかも確認が必要です。エアコンの省エネ性能はエネルギーラベルの等級で確認できるため、参考にできます。
省エネモードやメーカー独自の節電技術があるかも重要です。スマートフォンと連動して遠隔操作できる機能も、エアコンの節電性能に影響します。掃除やメンテナンスのしやすさも重要です。
エアコンの寿命のよくある質問
エアコンの寿命に関するよくある質問をまとめましたので、参考にしてください。
賃貸物件のエアコンが故障したときはどうすればいい?
賃貸物件のエアコンが故障した場合、不動産管理会社や大家に故障を報告することが重要です。契約書や物件の規約を確認し、修理費用の負担者が誰かを確認します。故障の原因が使用者の過失かどうかも判断が必要です。故障の程度によっては、修理するか交換するかを選択します。
緊急時には、速やかな対応を管理会社に依頼しましょう。修理業者の手配は管理会社が行うことが多いですが、代替品の利用や一時的な解決策も考えておくと安心です。新しいエアコンを設置する際は、設置費用についても管理会社や大家と相談する必要があります。
寿命を迎えたエアコンの処分方法は?
寿命を迎えたエアコンを処分する方法の一つに、不用品回収業者への依頼があります。手間をかけずに処分できる便利な方法です。購入した販売店やメーカーの回収サービスの利用も可能です。多くの場合、リサイクル料金が含まれており、安心して任せられます。
地方自治体の提供する粗大ゴミ回収サービスを利用する方法もあります。ただし、エアコンはリサイクル法に従い、フロンガスの処理に注意して適切に処分してください。エアコンの取り外し作業は、事故を防ぐために専門業者に依頼するのが安全で確実です。環境に配慮しつつ、寿命を迎えたエアコンを正しく処分できます。
室外機が故障したらエアコンも買い替えるべき?
エアコンの室外機と室内機はセットで機能しており、どちらかが故障すると全体の性能が低下します。室外機が故障した場合は、修理の可否と費用の確認が必要です。場合によっては、修理よりも新しいモデルへの買い替えが経済的な場合もあります。新しいエアコンは省エネ性能が向上しており、電気代を節約できるためです。
室外機の故障原因によっては、室内機にも損傷が及んでいる可能性があります。全体的な買い替えを検討する際には、定格出力や適用畳数などのスペックの確認が重要です。最新のエアコンは、機能面でも大きく進化しており、快適性や利便性が向上しています。
室外機単体の交換は技術的に可能ですが、室内機との相性や保証の問題を考慮する必要があります。買い替えを決めた場合は、古いエアコンの適切な処分方法の検討が重要です。
まとめ
エアコンの平均寿命は約10年ですが、使用環境によって異なります。寿命が近づくと、冷暖房効果の低下や異音、異臭、水漏れ、リモコンの不具合などの兆候が見られます。ブレーカーが頻繁に落ちたり、電気代が増加したりすることも寿命のサインです。
エアコンの寿命を延ばすには、フィルターの定期的なメンテナンスや室内機・室外機の点検と清掃が重要です。買い替え時には、定格出力や適用畳数、節電性能を考慮しましょう。賃貸物件での故障対応や古いエアコンの処分方法、室外機の故障時の対応についても適切な情報を得ておくことが大切です。