「トイレタンクの水漏れ」発見！原因から対処方法まで徹底解説

突然発生したトイレタンクの水漏れで困る人は多いです。トイレタンクの水漏れを放置すると、水道代がかさむだけでなく、カビの発生や床のダメージを引き起こす可能性があります。

この記事では、トイレタンクの水漏れ時の応急措置方法や、水漏れの原因、水漏れ箇所の修理・部品交換方法を解説します。修理業者へ修理を依頼する前に、対処方法を知っておくと安心です。トイレタンクの水漏れを発見した場合は、記事の手順どおりに対処し、水漏れ箇所を特定しましょう。

トイレタンクの構造

トイレタンクは便器に水を供給するための貯水装置です。トイレタンク内部には水をためたり放水したりする部品が取り付けられており、重要な役割を担っています。

トイレタンク内の部品一覧

トイレタンク内部の構造部品の役割と仕組みを以下にまとめました。

部品名	役割	仕組み
タンク本体	水をためる容器の本体部分	水をためる
レバー	タンクに貯水するためのバルブを開閉する	レバーを操作するとチェーンが引っ張られ、フロートバルブが下がり水が貯まる
フロートバルブ	タンクの水量を制御する	水位が上がるとフロートが上がり、バルブが閉じて水が止まる
ボールタップ	水道水をタンクに供給する	水圧により弁が開閉し、タンクに水がたまる
オーバーフロー管	タンクの水が溢れないようにする	水位が上がりすぎると、オーバーフロー管から水が排出される
止水栓	水道水を止めるためのバルブ	タンクへの給水を止める際に使用する

トイレタンクの水漏れの応急措置方法

トイレタンクから水漏れしている場合、即時の対応が必要です。水漏れの応急措置方法を知っておくと、被害を最小限に抑えられます。以下の手順で行います。

止水栓を閉める

トイレタンクの水漏れを発見したら、まず止水栓を閉めましょう。水が溢れ出るのを防ぎ、被害を最小限に抑えます。

止水栓を閉めるまでの手順は以下のとおりです。

止水栓の位置を確認する

トイレタンクの後ろや側面を確認します。止水栓の形状を確認し、マイナスドライバーやモンキーレンチを使って操作しましょう。

止水栓を閉める

マイナスドライバーやモンキーレンチを時計回りに回し、止水栓を閉めます。回した回数をメモしておくと、修理後に同じ水量で使用できます。

» 止水栓はどこにある？探し方を解説
» 止水栓が回らないときの原因と対処法

電源コードを抜く

温水洗浄便座タイプのトイレタンクの水漏れが発生した場合、水漏れによる感電のリスクを避けるために電源コードを抜きましょう。

トイレタンクのみ水漏れしている場合や、温水洗浄便座タイプではないトイレの場合は電源コードを抜く必要はありません。

タオルやキッチンペーパーで水を拭く

トイレタンクの水漏れを発見した場合、タオルやキッチンペーパーで水を拭いて被害の拡大を防ぎましょう。タオルやキッチンペーパーは吸水性に優れます。タオルは広い面積の水を一度で大量に吸い取れます。

水を拭き取る際は、トイレタンク周囲が濡れないよう注意が必要です。水量が多い場合はタオルを重ねるかバケツや洗面器で水を汲み取りましょう。水漏れしている箇所の確認も同時に行います。

トイレタンクの水漏れの原因

トイレタンクの水漏れの原因は以下のとおりです。

フロートバルブの故障

フロートバルブは、トイレタンクの水位を調整する重要な部品です。故障すると水位感知が適切に行われず、水漏れの原因となります。

フロートバルブ故障の具体例を以下にまとめました。

フロートバルブのゴムパッキンが劣化

フロートバルブのゴムパッキンが劣化すると、バルブが密閉されず水漏れを起こす可能性があります。

フロートバルブに汚れが付着

フロートバルブやフロート(浮き球)に汚れが付着すると、正しい水位を感知できず、水漏れを起こす可能性があります。

フロートバルブ調整ネジの緩み

フロートバルブ調整ネジが緩んでいると、水位の上がりすぎで水漏れを起こす可能性が高いです。

ボールタップの不具合

ボールタップはトイレタンク内で水位を制御する大切な部品です。不具合が生じると水漏れが起き、タンク内の水が適切に補充されない可能性があります。

ボールタップの不具合として考えられるのは以下のとおりです。

上記の症状が水漏れの原因と判明した場合、ボールタップやゴムパッキンを交換します。ボールタップやゴムパッキンは比較的安価な部品で、ホームセンターなどで購入できます。

オーバーフロー管の劣化

オーバーフロー管の劣化や破損は、トイレタンクの水漏れの一因です。破損すると水が止まらなくなり、タンクから水漏れする可能性があります。

オーバーフロー管の劣化や破損の具体例を以下にまとめました。

オーバーフロー管が破損している

オーバーフロー管が物理的に破損している場合、正常に水位が感知できず、水漏れが起こります。

オーバーフロー管が詰まっている

オーバーフロー管が汚れやゴミで詰まっている場合、水が適切に流れなくなり、水漏れが起こります。

オーバーフロー管のパッキンが劣化している

オーバーフロー管のパッキンが劣化していると、パッキン部分から水漏れが起こる可能性が高いです。

ゴムパッキンの劣化

トイレタンクの水漏れの原因で最も多いのは、ゴムパッキンの劣化です。

トイレタンク内部品では、主に以下3つのパッキンの劣化が原因で水漏れが考えられます。

止水栓パッキン

タンクと止水栓の接続部分にあるパッキンです。劣化による硬化や変形で水漏れが発生します。

フロートバルブパッキン

タンク内にあるフロートバルブと、タンク底部の接続部分にあるパッキンです。劣化による硬化や変形で水漏れが発生します。

排水弁パッキン

レバーを引くと作動する排水弁と、タンク底部の接続部分にあるパッキンです。劣化による硬化や変形で水漏れが発生します。

ゴムパッキンの劣化による水漏れは、以下の症状で確認可能です。

タンク内から水が少しずつ漏れている

止水栓パッキンまたはフロートバルブパッキンの劣化が考えられます。

レバーを引いても水が止まらない

排水弁パッキンの劣化が考えられます。

タンク内の水が減っている

止水栓パッキンかフロートバルブパッキン、排水弁パッキンいずれかが劣化している可能性が高いです。

レバーハンドルの故障・調整不良

トイレタンクの水漏れがレバーハンドルの故障・調整不良である場合、以下の原因が考えられます。

パッキンの劣化

レバーハンドルとタンクをつなぐ部分にあるパッキンが劣化し、水漏れが発生している可能性があります。

レバーハンドル軸の歪み

レバーハンドルの軸が歪み、止水栓が確実に閉まらず水漏れが発生している可能性が高いです。

レバーハンドルのスプリングの摩耗

戻りスプリングが弱くなっている場合、フロートバルブが完全に閉じられず水漏れが発生している可能性があります。

レバーハンドルの故障・調整不良は、比較的簡単な修理で解決できますが、修理に不安がある場合は修理業者に依頼しましょう。

【箇所別】トイレタンクの水漏れの修理・交換方法

トイレタンクの水漏れの修理・交換方法は、水漏れ箇所により異なります。箇所別の修理方法を解説します。

フロートバルブの修理方法

フロートバルブの修理方法は、以下の2種類です。

パッキンの交換

フロートバルブのパッキンの劣化で水漏れが起こった場合、パッキンの交換で修理ができます。ホームセンターなどでフロートバルブに適合するパッキンを用意しましょう。

パッキンの交換手順は以下のとおりです。

フロートバルブ本体の交換

フロートバルブ本体が故障している場合、フロートバルブを交換します。トイレのメーカーにより、フロートバルブの形状や取り付け方法が異なる場合があります。トイレタンクや便器に貼付されている品番シールを確認し、適合するフロートバルブを購入しましょう。

フロートバルブ交換の手順は以下のとおりです。

ボールタップの修理方法

ボールタップの修理は、正しい手順を踏めば自分で行えます。準備するものは以下のとおりです。

ボールタップの修理方法は以下のとおりです。

止水栓を回す回数は必ずメモしておきましょう。修理前と同じ水量で水を流せます。

オーバーフロー管の修理方法

オーバーフロー管からの水漏れは、管の緩みや割れ、シーリングの老化などが原因で起こります。

オーバーフロー管の修理方法は以下のとおりです。

オーバーフロー管は経年劣化で折れる場合があります。折れてしまうと大量の水が便器に流れ込みます。大量の水漏れ時はオーバーフロー管の状況を確認しましょう。

ゴムパッキンの交換方法

トイレタンクの水漏れがゴムパッキンの場合、比較的簡単に交換できます。

ゴムパッキンの交換方法は以下のとおりです。

レバーハンドルの修理方法

レバーハンドルの故障は自分で修理可能です。レバーハンドルはトイレメーカーやホームセンター、ネットショップで購入できます。

レバーハンドルの修理方法は以下のとおりです。

レバーハンドルを取り付ける際は、取扱説明書の内容にしたがってください。

水漏れ修理を業者に依頼するときのチェックポイント

水漏れ修理を業者に依頼するときのチェックポイントは以下のとおりです。適切な業者を選ぶと修理がスムーズに進み、再発防止につながります。

修理料金

トイレタンクの水漏れ修理を業者に依頼する際に、最も重要なポイントは修理料金です。

修理料金には以下の料金が含まれます。基本料金は作業の種類や難易度により変動します。

トイレタンクの水漏れ修理料金の目安は以下のとおりです。

トイレタンクの水漏れの場合、事前見積もりと修理完了後の料金が異なるケースがよくあります。追加工事が発生した場合の料金体系を必ず確認しておきましょう。

出張見積もりの料金

出張見積もりの料金は、業者により異なるため注意が必要です。無料見積もりを提供している業者もありますが、距離や時間帯により別途費用が発生する可能性があります。必ず出張見積もり料金をチェックしましょう。

出張見積もり料金をチェックするメリットは以下のとおりです。

出張見積もり料金が適正価格か判断できる

業者により高額な見積もりを提示してくる場合があります。複数の業者から見積もりを取ると、適正価格が判断できます。

見積もり内容を比較検討できる

見積もりには作業内容や料金以外に、保証内容も記載されているのが一般的です。複数業者の出張見積もり料金を比較検討し、水漏れトラブルに合った業者を選べます。

トラブルを未然に防げる

出張見積もり料金をチェックすると、料金トラブルを防げます。見積もり内容に納得できない場合にキャンセルができるか、手数料がかかるか確認しましょう。

修理後の保証内容

修理後の保証内容は、業者を選ぶ際に重要です。保証期間や保証範囲を明確にし、万が一修理後に水漏れが再発した場合の対応を事前に確認しておきましょう。

保証期間

修理箇所や業者により異なり、一般的に6ヶ月～1年程度です。2～3年の長期保証を提供する業者もあります。

保証範囲

水漏れ修理箇所のみを保証する場合と、トイレ周辺の水漏れを幅広く保証する場合があります。部品代や出張費などが保証内容に含まれるか確認しましょう。

水漏れ再発時の対応

保証期間内に水漏れが再発した場合、無償で再修理が可能か確認します。再修理にかかるまでの期間や、再発時の連絡方法もチェックしておきましょう。

評判

トイレタンクの水漏れ修理業者を選ぶ際は、評判の確認が大切です。信頼性の高い業者を選ぶと、満足度の高いサービスを受けられます。

評判の良い業者を見つける方法は以下のとおりです。

口コミサイトで業者名を検索する

口コミサイトには、実際に利用した人たちの生の声が掲載されており、料金や対応、技術力などを総合的に判断できます。口コミサイトで業者名を検索すると、評判の良い業者を効率的に見つけられます。良い口コミだけでなく、悪い口コミも参考にしましょう。

知人や友人に修理業者を紹介してもらう

知人や友人など身近な人から修理業者を紹介してもらえると、具体的な施工内容や対応を確認できます。悪質な業者を回避し、安心して依頼できる業者を探せます。

地域の指定水道工事店を検索する

指定水道工事店は、地方自治体から一定の資格と技術を認定された専門業者です。水道局から正式な許可を得ているため、安心して依頼できます。

「指定水道工事店+地域名」で検索すると、近隣の指定水道工事店情報を確認できます。
» 東京都の指定水道工事店(外部サイト)

万一トラブルにあってしまったら、国民生活センターへの相談がおすすめです。
» 国民生活センター(外部サイト)

まとめ

トイレタンクの水漏れ原因は多岐にわたり、フロートバルブやボールタップ、オーバーフロー管の破損などが考えられます。

水漏れに気づいた場合は以下の応急措置を行います。

自分で修理できる場合は部品調達を行いましょう。業者に修理依頼する場合は料金や保証内容、業者の評判などをチェックしましょう。
» トイレの水漏れの原因と対処法