給湯器の平均寿命は？寿命のサインや壊れたときの対処法を詳しく解説

家庭で使われている給湯器の寿命がどれくらいなのか知ることは重要です。寿命を理解すれば、突然機能しなくなっても慌てずに済みます。この記事では、給湯器の平均寿命や寿命のサイン、寿命が来たときの対処法を解説します。寿命を延ばす方法も紹介しますので、参考にしてください。

給湯器の平均寿命は種類によって異なりますが、10～20年です。寿命を超えると、給湯効率の低下や、水漏れ、ガス漏れ、一酸化炭素中毒などのリスクが高まります。寿命を迎えた給湯器は、適切な修理や買い替えを検討しましょう。

【種類別】給湯器の平均寿命

給湯器の種類別の平均寿命は以下のとおりです。

各種給湯器はそれぞれ異なる特性を持ち、適切なメンテナンスにより機能を長持ちできます。給湯器の寿命を知れば、メンテナンス計画を立てられ、買い替えのタイミングを見極められます。

ガス給湯器

一般的に、ガス給湯器の寿命は10～20年とされていますが、あくまで目安です。ガス給湯器の寿命を延ばすためには、定期的なメンテナンスを行いましょう。メンテナンスを怠らなければ、ガス給湯器の性能を保ち、寿命を延ばせます。コストをかけて高品質のガス給湯器を選ぶことも重要です。

電気給湯器

電気給湯器の平均寿命は10〜15年です。電気給湯器の寿命には、タンク内部の腐食や電気コンポーネントの劣化が大きく影響します。寿命は日々の使用頻度や給湯器の品質、メンテナンスの状況によって変わります。硬水地域では、給湯器内部に石灰がこびりつき、寿命が短くなりやすいです。

しかし、定期的な点検や適切なメンテナンスによって、給湯器の寿命を延ばすことは可能です。最近の電気給湯器は効率が良く、長持ちするように設計されています。省エネタイプの電気給湯器が普及しており、長寿命化が期待されます。適切な管理と最新技術の活用により、電気給湯器を効率的に使いましょう。

エコキュート

エコキュートは、効率的なヒートポンプ技術を採用しており、消耗が比較的少ないため、平均寿命は15～20年と長めです。寿命に関わる部分として、貯湯タンクの状態を正常に保つことが重要です。貯湯タンクの機能が劣化すると、エコキュートの性能が低下します。

給湯器の寿命を超えて使い続けるリスク

給湯器の寿命を超えて使い続けると、以下のようなさまざまなリスクが伴います。

給湯器の適切な管理は重要で、定期的な機能チェックや適切な対応が大切です。

給湯効率の悪化

給湯効率が悪化すると、快適性や経済的な面に影響を及ぼします。エネルギー消費の増大は、環境にも家計にも悪影響です。給湯の待ち時間が長いと、日常生活におけるストレスが増加します。熱交換器に汚れやスケールが蓄積すると、給湯器の効率は低下します。

運転コストの増加により、無駄な支出が増えるため、定期的なメンテナンスで給湯効率の悪化を防ぎましょう。

水漏れ

水漏れの原因は以下のとおりです。

冬場の寒さにより配管が凍結し、亀裂や破裂によって水漏れを起こします。水漏れの原因を理解し、適切なメンテナンスをすると、水漏れのリスクを減らせます。
» 給湯器の水漏れの原因は？原因を徹底解説

ガス漏れ

給湯器からのガス漏れは大変危険です。ガスが配管や接続部から漏れると、火災や爆発の原因になる可能性があるため、注意しましょう。ガス漏れの前兆として、異臭やガスの音がする場合があります。ガス漏れが疑われるときは、自己判断を避け、直ちに専門業者に点検を依頼しましょう。

給湯器の定期的なメンテナンスや点検は、ガス漏れリスクを減らします。ガス漏れセンサーや警報器の設置により、異常を早期に感知し対応することが可能です。老朽化した給湯器を使い続けるのは危険ですので、寿命が近づいた際には、新しい給湯器への買い替えを検討しましょう。

一酸化炭素中毒

給湯器の寿命を超えて使い続けるリスクで最も危険なのが、一酸化炭素中毒です。燃焼装置が不完全燃焼を起こしたときに一酸化炭素が発生します。一酸化炭素は無色無臭で、気づかないうちに室内に充満し、室内に溜まると頭痛やめまい、吐き気などの症状を引き起こします。

安全で快適な生活を続けるためにも、給湯器の正しい管理と使用が求められます。定期点検や換気、警報器の設置により、一酸化炭素中毒のリスクを減らしましょう。

給湯器の寿命のサイン

給湯器の寿命のサインは以下のとおりです。

上記のサインは、給湯器に不具合や故障があることを示しており、早急に対処する必要があります。寿命のサインに気づいたら、専門業者に相談し、適切な措置をとりましょう。

異音や異臭がする

給湯器から異音や異臭がする場合、注意が必要です。異音は「カチカチ」「ゴロゴロ」「ジージー」と聞こえることが多いです。給湯器内部の部品の故障や経年劣化などの問題が発生している可能性があります。ガス給湯器で異臭を感じた場合、ガス漏れの危険信号である可能性が高いです。

お湯の温度が安定しない

給湯器から出るお湯の温度が一定ではなく、急に冷水が混じる場合は、給湯器の寿命が近づいている可能性があります。急に冷水がまじるのは、給湯器内部の部品の劣化や故障が原因です。サーモスタットの不具合や熱交換器の汚れの蓄積が、温度の不安定さに関係している場合もあります。

メンテナンスや修理で解決することもありますが、給湯器の寿命が近づいている場合は、給湯器自体の交換が必要です。温度の問題に気づいたら、早めの点検をおすすめします。

水漏れしている

給湯器から水が漏れている場合、すぐに専門業者の点検を受けましょう。水漏れは、給湯器の機能不全だけでなく、設備の老朽化や故障が原因である可能性があります。給湯器から水が漏れている状態は、内部の部品が破損しているか、接続部分が緩んでいる可能性が考えられます。

サビが発生している

給湯器にサビが発生するなら、機器の老朽化や寿命を迎えている可能性が高いです。給湯器の外観だけでなく、内部の機能にも悪影響を及ぼす可能性があります。給湯器の外部や接続部分にサビが見られる場合、外気との接触が原因であり、保護塗装の劣化が発生していると考えられます。

配管やバルブ周りのサビは水漏れのリスクが高く、内部部品のサビは部品交換が必要です。給湯器の性能がサビによって低下すると、お湯の出が悪くなり、ガスや電気の消費効率が悪化することがあります。給湯器にサビを見つけた場合は、早めの修理や点検を行いましょう。

エラーが出ている

給湯器から以下のようなエラーが発生する場合、寿命が近づいていると考えられます。

給湯器の表示パネルにエラーコードが現れたら、取扱説明書に従って該当箇所の点検をしましょう。上記の問題が発生したときは、すぐに専門の業者への相談をおすすめします。エラーの原因を特定し、適切に対処すると、さらなるトラブルを防げます。

給湯器の寿命が来たときの対処法

給湯器の寿命が来たときには、業者に修理の依頼や、買い替えを実施しましょう。

業者に修理を依頼する

給湯器の寿命が来たと感じたら、専門業者に修理を依頼しましょう。給湯器のメーカーやモデルを特定し、専門業者に故障の範囲や原因を診断してもらいます。以下の内容を事前に業者に確認しておくと安心です。

買い替えをする

給湯器を新しいものへ買い替えを検討しましょう。給湯器の寿命年数と寿命のサインを知ると、買い替え時期を見極められます。長年の使用により、効率が落ちたり不調を感じたりする場合は、最新型の給湯器への交換を検討しましょう。新型の給湯器は、省エネルギー性能が高くランニングコストの削減に役立ちます。

給湯器の寿命を延ばす方法

給湯器の寿命を延ばす方法は以下のとおりです。

他にも定期的な点検やメンテナンスが重要です。硬水による負担を軽減するために、水質に配慮したフィルターを使用します。高すぎる温度は給湯器に負荷をかけるため、控えめな設定がおすすめです。不要なときは給湯器の電源を切り、排気口・フィルターを清潔に保つと寿命を延ばせます。

無駄なお湯を出さない

給湯器の寿命を延ばすためには、無駄なお湯を出さないことが大切です。給湯器がお湯を供給し続けると、エネルギーの無駄遣いだけでなく、給湯器自体にも負担をかけます。使用後はしっかりとお湯の蛇口を閉めて、給湯器の無駄な使用を防ぎます。
» 蛇口の水漏れの応急処置と修理の手順

温度を頻繁に変えない

給湯器の効率と機能を長期間保つため、お湯を出しているときに温度を頻繁に変えないようにしましょう。温度を頻繁に変更すると、給湯器にかかる余計な負担が増え、熱交換機能が低下する恐れがあります。給湯器内部への負荷が増し、故障につながります。

適切な温度に設定した後は、温度を保持して給湯器内部のストレスを最小限に抑えましょう。エネルギー効率の良い状態を維持すると、給湯器の寿命を延ばせます。

凍結させない

寒い季節に給湯器が凍結すると故障の原因となり、寿命を縮める可能性があります。冬場は凍結が起こりやすいため、周囲の温度をこまめにチェックし、事前に凍結防止策を取りましょう。断熱材の状態を確認し、必要に応じて追加したり、防寒カバーを使用して給湯器を保温したりすると効果的です。

給湯器の設置場所を見直す

給湯器の設置場所の見直しは、寿命を延ばすのに重要な処置です。最適な場所に設置すると、給湯器が最良の状態で機能できます。設置場所が適切でないと、湿気やガスがこもりやすくなり、部品の劣化や故障のリスクを高めます。凍結のリスクがある場所は避けましょう。

設置場所は安全な排気が可能でメンテナンスが容易な場所を選びます。給湯器の種類に応じた適切な設置場所の選定や、騒音を考慮して居住スペースから離れた場所を選ぶことも大切です。設置場所の変更を検討する際には、専門業者に相談し、アドバイスを参考にして場所を決めましょう。

まとめ

給湯器の寿命は以下のように種類によって異なります。

寿命を超えると、給湯効率の低下や、水漏れ、ガス漏れ、一酸化炭素中毒などのリスクが高まるため注意が必要です。給湯器の寿命は、異音や異臭、機能異常、水漏れ、サビ、エラーといったサインで事前に予期できます。寿命を迎えた給湯器は、適切な修理や買い替えが必要です。

給湯器を長持ちさせるためには、無駄なお湯を出さない、温度を頻繁に変えない、凍結させないことが重要です。給湯器の設置場所の見直しも検討してください。定期的なメンテナンスと正しい使用方法により、給湯器を長く安全に使いましょう。